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Cosmo-Zの開発の想い

大学時代の話

私(特殊電子回路株式会社 代表 内藤)は、東京工業大学の応用物理学科で、原子核や素粒子の研究室に配属されました。

そこにはペレトロンという加速器があって、NaIシンチレータで得られた信号を処理するためNIMやCAMACのアナログのシステムを構築していました。膨大な量のNIM/CAMAC機器が、LEMOコネクタのついた膨大な黒いケーブルでぐちゃぐちゃーっと配線されていたわけです。

1つ1つのモジュールはアンプとか、ANDゲートとか、遅延ラインとか、そういう単純なものなのに1台何十万円もするボッタクリ価格で、計測に必要なものを作り上げると、全部で何千万円するんだというレベルになります。

最終的にはVMEバス(をフラットケーブルでひっぱりだしたもの。シグナルインテグリティーとかやばかったろう)でSunのワークステーションにつないで、テープに保存していたような気がします。

これを、FPGAを使って置き換えたいという夢を抱いていました。当時のFPGAはXC4000シリーズでした。

大学院時代の話

大学院では東京大学のシステム量子工学専攻に進学しました。1999年の話です。消滅処理でエネルギー問題を解決するという夢を持っていたのですが、なぜか半導体レーザで同位体をどうのこうのする研究になりまいた。

立ち上げたばかりの研究室で、本当に何もなかったので、レーザ発振回路を作るところから始めました。修士の2年間は実験装置やいろんな計測装置を作ることに費やしました。

当時はアナログ回路で計測していました。OPアンプが発振したり、あちこちの半固定抵抗を回したり、手が何本あっても足りない、そんな戦いでした。計測システムをディジタル化できればどんなに楽だったでしょう。

FPGAなんてまだXC4000シリーズかSpartanの初期で、容量も小さく、乗算器さえ入っていなかったと思います。

就職して、独立して、再び物理の世界に戻る

修士を出た後、普通に就職したのですが、そのうち「やっぱり回路がやりたい」という思いがこらえきれなくなり、未踏ソフトウェア創造事業に採択されたのを機に独立して起業しました。

それから約10年、FPGAの設計をしたり組み込み機器の設計をしたり、FPGAの評価ボードを作ったり、物理とは無縁の日々を送っていました。

 

あるとき、テレスコープアレイ実験の装置のファームウェアを作るという仕事があり、その縁がきっかけとなって次にミューオンの検出装置を作るという話がありました。

直径90mmの穴の中に32個の高速ADCを埋めたいとのことでした。そんな過程でCosmo-Zを開発するに至ったのです。

 

今は、いろいろな大学の物理系の研究室や、独立行政法人のさまざまな研究所にCosmo-Zを納品させていただき、物理実験のための計測システムの構築で、とても充実した楽しい日々を送っています。


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