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JTAG開発日記
JTAGを熱く語る
なぜ、バウンダリスキャンは流行らなかったのか
一言でいえば、バウンダリスキャンは対応IC同士の間の配線のオープン/ショートしかわからないからです。
少しでも多くのテストをするために、各JTAGツールメーカーは30年かけて努力してきました。
ファンクションテストでDRAMの検査ができるとか、ADCとDACをつないでループバックとか・・それでもアナログや、電源まわりは検査できません。
基板のどれだけの範囲を検査できるかというのをカバレッジといいますが、JTAGでカバレッジ100%というツールは嘘です。
そもそもJTAGはディジタルのI/Oしか検査できません。
例えば、ICにGNDの電源が2本以上あって片方が浮いているような場合、JTAGでは絶対にわかりません。
BGAの半田付けに若干の不安があって、押したら動く、というような状況はJTAGでもわからないのです。
(異論はあるかもしれませんが・・)
従来のソフトウェアの対応範囲
そこで、FPGAやCPUのメーカーは、JTAGを基板検査ではなく、開発者向けのデバッグ機能として充実させてきました。
JTAGにはいろいろな応用方法があるのですが、MITOUJTAGが登場する以前の、従来のJTAGソフトウェアではそれが十分に活かされているとはいえませんでした。
なぜならば、例えばA社のFPGA書き込みツールはA社のFPGAにしか書き込みできません。競合他社のFPGAには書き込みできませんし、その逆も然りです。
また、基板検査ツールではCPUのデバッグはできませんし、CPUのエミュレータでは基板検査はできません。
このように、ベンダごと、分野ごとに役割が細分化されていて、他の分野の機能は全く持ち合わせていなかったのです。
次の表は数年前に各社のツールの機能を調べて比較したものです。単機能の製品がいかに多いかがわかります。

つまり、従来のJTAGツールは皆、ひとつのことしかできないのです。
バウンダリスキャンが一番活用されていない
いうまでもなく、JTAGの本来の機能はバウンダリ・スキャンです。しかし、一番活用されていないのもまたバウンダリ・スキャンです。
従来のJTAGバウンダリ・スキャン・ツールは、組み込み開発向けには驚くほどに役に立たないものばかりでした。なぜなら、従来のバウンダリ・スキャンによる基板検査は基本的にバッチ処理であって、スキャンしたい内容を随時変えていくという発想がないのです。
つまり、回路図やネットリストから、最適な検査パターンを生成して(これがすごく高価)、検査装置にあらかじめセットしておくものだからです。

- ・膨大な知識とノウハウが必要(ツールは高価)
- ・100%の検査範囲(カバレッジ)は不可能
- ・バッチ処理(開発用のデバッグ手段ではない)
中には、検査結果を解析してどの部分にエラーがあるかを基板のイメージ上にビジュアライズするものもありますが、基本的には工場出荷ラインの検査用なのです。ベルトコンベアを流れてきた製品を作業者が開始スイッチを押して、OKかNGのランプが光る・・・そんな製品なのです。

組み込みの開発に使えるようなものではありません。
ハードウェア技術者が本当に必要としているツールはどんなものか?
それでは組み込み機器を設計するハードウェア・エンジニアが望んでいるのは、どのようなものでしょうか?
それは、出荷ラインの検査ツールではなく、オシロやロジアナの代わりとなるツールです。
しかも、
- FPGAやCPUが起動する前から使えること
- ターゲットICに何も書き込まずに使えること
- 特定のベンダに縛られないこと
- 目の前にある基板の状態がすぐに見えること
- ネットリストやその他のデータが不要であること
- テストパターンを作りこむのではなく、もっと手軽にI/Oを操作できること
- マニュアルが日本語で書かれていること
- 一人1一台支給出来る価格であること
- FPGAの書き込みや、内蔵ロジアナ、CPUのデバッグなどのJTAGのオプション機能も使えること。
そういうツールではないでしょうか?
これらの条件をすべて満たすツールは今までありませんでした。
そこで、世界で初めて組み込み開発向けに登場したJTAGバウンダリ・スキャン・ツールがMITOUJTAGです。


