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JTAGの信号と役割

JTAGの信号線

 JTAGには、TCK、TDI、TMS、TDOの4つの必須な信号線と、TRSTというオプションの信号線があり、これらはTAP(Test Access Port)と呼ばれます。TDIはデータ入力、TDOはデータ出力、TCKはクロック、TMSはTAPコントローラの遷移に用いられます。TRSTはTAPコントローラをリセットするための信号ですが、オプションなので実装されているデバイスも多いでしょう。TDOはShiftステート以外ではハイインピーダンスになるので、必要ならば図4のように複数のICのTDOをパラレルに接続することもできます。この場合、どちらのICを動作させるかは、TMSで選択します。

図4 TDOの並列接続

 

 しかし、複数のICを接続する場合は図5のように直列につなぐのがより一般的です。この場合、TCKとTMSはすべてのICで共通に使われるので、多くのICをつなぐ場合は信号波形の劣化に注意しなければなりません。

 

図5 安定して動作させるための接続方法

 

 また、TDIとTDOをいくつも接続した長いチェーンを作った場合、一つでも故障したICがあるとチェーン全体が使用できなくなってしまいます。故障解析やトラブル時の迂回方法として、TDOと次のICのTDIを切り離せるような構造にしておき、必要に応じてジャンパでバイパスできるような構造にしておくとよいでしょう。

 

 JTAGを使うためには、パソコンとターゲットIC間で4つの信号をつなぐだけと思われがちですが、ターゲットボードとパソコンの間は、数cmから1mくらいの長い配線になるので、単純につなぐと信号の反射等によって動作が不安定になったり、全く動作しなくなったりする場合があります。

 そのような場合の対策として、末尾のICのTDOの近くにダンピング抵抗を入れたり、TCKを等長配線や一筆書き配線など反射に強い引き回しにし、TCKにダンピング抵抗や終端抵抗を追加する場合もあります。可能ならばターゲットボード上にバッファを載せるが理想です。また、基板を設計する時に、システムクロックなどの高速な信号とできるだけ離ししたり平行する区間が短くなるような配慮も必要です。JTAGの配線は長さが比較的長いので、高速な信号を扱うのと同じ注意が必要です。

 

 また、最近のFPGAでは入出力が2.5V仕様になっているため、3.3Vや5Vレベルの信号を入力すると絶対最大定格を超えてしまうものがあります。そのようなICを使う場合には、図6のように適切なレベル変換を行ってください。

図6 2.5Vデバイスへの対応方法