ZYNQ搭載 ADCボード「Cosmo-Z」>Cosmo-Zのメリット

Cosmo-Zのメリット

Cosmo-Zは、NIM/CAMACとは違いディジタル化されているので、低コスト、低消費電力、そして拡張性に優れています。

また、汎用のデジタイザや、ディジタルMCAと違い、イベントが発生した時の波形だけを記録することができるので、1つ1つのイベントが重要な基礎物理の実験にも適しています。

詳しくは以下の説明をご覧ください。

NIM/CAMACとの違い

従来のNIM/CAMACの計測システムをCosmo-Zで置き換えることで、コストとサイズで大きなメリットが得られます。

 

コストのメリット

NIM/CAMACで簡単なX線/γ線計測システムを組み立てたとしても、1chあたりで最低でも100万円はかかります。MCAを追加すればトータルで1000万円超になることもありました。

ところが、Cosmo-Zでは8chで40万円であり、ディスクリ、トリガ、遅延、コインシデンス、MCAなどの必要な機能はFPGAに内蔵しています。これらの機能はFPGAのソースコードを書き換えて再コンパイルすることで自由に構成可能です。機能を追加しても追加のハードウェアは必要ありません。

サイズと電力のメリット

NIM/CAMACは専用のラックに組み立てなければならず、どうしても装置のサイズが大きくなっています。そもそもNIM/CAMACは設計思想が古いので、処理性能の割に多量の電力を消費します。

Cosmo-Zはディジタル信号として処理するという新しい思想で設計されていて、従来のNIM/CAMACによる計測システムと同等のものを、FPGAにワンチップに実装してしまっています。消費電力もNIM/CAMACと比べて極めて少なくて済みます。

拡張性のメリット

Cosmo-Zは再構成可能なFPGAの中に信号処理回路や計測回路を作りこんでいるため、研究で必要な回路を後から組み込むことができます。NIM/CAMACでは1つ1つのゲート・モジュールをケーブルでつないでいたのに対し、FPGAでは100万ゲート以上の論理回路を言語で記述することで拡張できます。

 

"デジタイザ"や"デジタルMCA"との違い

Cosmo-Zは、オシロやデジタイザなどの汎用的なデータ収集装置とは異なります。また、デジタルMCAとも異なります。

デジタイザとの違い

汎用のデジタイザは、全チャネルの信号を取り続けるので、データ量が膨大になってしまい、長時間の記録ができません。

Cosmo-Zは、イベント・トリガのかかった時間だけ波形を収集するので、データ量を削減でき、数時間から数日の測定も可能です。

デジタルMCAとの違い

デジタルMCAは、放射線の計測に特化された機械で、スペクトラムの処理に関する機能は充実しています。しかし、1つ1つのイベントの発生時刻や、波形を記録したりすることはできず、基礎物理の実験には適していません。

Cosmo-Zは、イベント・トリガのかかったタイミングでイベントの発生したチャネルだけを記録するので、波形の全情報を後から復元できます。

 

 

図 デジタイザやデジタルMCAのデメリット

 

 

図 Cosmo-Zのメリット

 

表 Cosmo-Zとデジタイザ、デジタルMCAとの違い

  Cosmo-Z デジタイザ デジタルMCA

計測の形式

イベントを記録

生波形を記録

スペクトラムを記録

メリット

1つ1つのイベントを逃さず記録できる

データ量を削減できる

数時間から数日の計測も可能である

 

放射線計測や、スペクトラムの処理に関する機能が充実している

デメリット

 

イベントの有無とはかかわらず記録するのでデータ量が大きい

最大でも1秒程度しか記録できない

1つ1つのイベントの波形や発生時刻は記録されない

 

 

 

トリガというのは放射線の計測に限りません。Cosmo-ZはTOFを測る場合や、パルスレーザで何かを測定する場合などを想定しており、あらゆるトリガ対応できます。

 

遠隔操作・遠隔監視のメリット

すべてディジタルで処理するため、ネットワークとの相性が良いのもCosmo-Zのメリットです。実験中のデータを、学内LANで別の部屋から監視したり、珍しいイベントが発生した場合にスマートホンに通知して結果を見るといった使い方もできます。

Webモニタ画面 (クリックで拡大)

 

 

メリットのまとめ

  NIM/CAMAC Cosmo-Z デジタルMCA

筐体サイズ

専用のラックが必要

デスクトップ

デスクトップ

PCとのインタフェース

VMEなど旧式の
インタフェース

PCI Express
USB、Ether

USB、Ethernなど

電力供給

数100W~数kW
大電力

小(10W)
PoEや、ACアダプタ
で動作可能

100W程度

構成の変更

モジュールの購入
配線のつなぎ変え

ソースコードの変更で対応 できない

遠隔操作・リモートモニタ

原則できない

できる

可能な場合もある
1つ1つのイベントの記録 できる できる できない

1チャネルあたりのコスト

約100万円

5万円以下

約100万円

 

機能を追加するためのFPGAの設計が難しいと感じる方がいらっしゃるかもしれません。そのような場合、弊社にご依頼ください。お客様の研究内容を理解したうえで、ご研究内容に合わせたFPGAの設計を行わせていただきます。


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