FPGAの書き込みとパソコンからの認識
2-1.はじめに
特電PCI Expressボードは、購入時の状態ではFPGAには何も書き込まれていません。
また、FPGAは揮発性(電源を落とすとデータが消える)のため、電源ONと同時に起動することはできません。
したがって、パソコンのPCI Expressスロットに本ボードを挿しただけでは動作させることができません。
本ボードを動作させるには、FPGAにBitStreamデータを書き込み(コンフィギュレーションという)、パソコンにPCI Expressボードとして認識してもらう必要があります。
そのためには3つの方法があります。
① パソコンが起動してからFPGAをコンフィギュレーションし、パソコンを再起動する。
② パソコンが起動してからFPGAをコンフィギュレーションし、デバイスマネージャから再スキャンする。
③ 基板上のSPI ROMにコンフィギュレーションデータを書き込み、パソコンの起動時に認識してもらう。
FPGAの開発時にお奨めの方法は②です。①はOSの再起動を伴うため時間がかかります。
③はSPI ROMの書き込みに時間がかかりますが、パソコンの電源ONと同時に起動できるので、最終的には③の状態で使用するのが望ましいでしょう。
本章では②の方法について説明します。
2-2.パソコンのスロットにPCIeボードを挿す
まず、パソコン筐体をあけ、PCI Expressのスロットを探し、特電PCI Expressボードを挿入します。
2-3.JTAGケーブルをつなぐ
基板上のJTAGコネクタに、JTAGケーブルを接続します。
JTAGケーブルには、Pocket JTAG Cableや、XILINX Platform USB、XILINX Parallel IVなどが使用できます。
※ XILINX Parallel IIIやその互換品を使う場合は、74HC125を74AC125に換装してください。
PCI Expressボードの電源は、パソコンの電源から供給されます。
2-4.書き込みをする
MITOUJTAGまたは、iMPACTを使って、FPGAに書き込みます。
それぞれのツールの使い方は、それぞれのマニュアルを参照してください。
2-5.LEDが点灯するのを確認する
FPGAの書き込みが正常に行われると、基板上のLEDが点灯します。
インテル系のマザーボードでは、最初は右側2個が点灯し、その後左側6個がチカチカと点滅します。
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AMD系のマザーボードでは右側2個が点灯するだけで、チカチカと点滅はしないはずです。
バウンダリスキャンで確認すると、下の図のようにFPGAの端子がチカチカと動いているのが見えるはずです。
※ 上の図のようにFPGAが動いていなかったり、LEDが点灯しない場合は、一度PCI Expressボードをパソコンから外し、再度挿入してFPGAにもう一度書き込んでください。何らかの問題により、FPGAが起動しても、FPGA内のDCMか、PHYチップ内のPLLがロックしないことがあるようです。この原因は現在究明中です。
2-6.デバイスマネージャを起動し、ハードウェアを検出する。
デバイスマネージャの起動
Windowsのスタートメニューから、「ファイル名を指定して実行」を起動し、sysdm.cplと入力します。
もしくは、「マイコンピュータのプロパティ」や「コントロールパネル」などからもデバイスマネージャを起動することができます。
ハードウェア変更のスキャン
デバイスマネージャが起動したら、ハードウェア変更のスキャンを行います。
特電PCI ExpressボードがDPIOモジュール(汎用の入出力ポート)として認識されます。
FPGAに書き込んだ回路が、クラスコード(110000)を返すようにしているためです。
2-6.デバイスドライバをインストールする
特電PCI Expressボードは「新しいハードウェア」として認識されるので、使用するためにはデバイスドライバをインストールする必要があります。
前のステップで修正したINFファイルを用いてPCI Express汎用デバイスドライバをインストールしてください。
デバイスドライバが正しくインストールされると、デバイスマネージャに下の図のように表示されます。