経済安全保障への取り組み
令和8年10月10日更新
特殊電子回路㈱は、「日本の電気電子業界の事業者が、半導体をはじめとする電子部品を安心・安全に利用できるようにすること」を目的として以下のような課題に取り組んでいます。
当社が扱う範囲は半導体の真正性・トレーサビリティと、回路設計現場の技術管理、技術の流出防止です。
経済安全保障推進法の解説および法解釈は行いません。特定重要物資、基幹インフラ、秘密特許、重要技術開発、セキュリティ・クリアランスも扱いません。
偽造半導体への対策
半導体の偽物というのはかなり古くから存在していましたが、2019年のコロナ禍で半導体不足が起きると偽造半導体の脅威が急増しました。正規ルートで半導体が調達できなくなったため、多くの事業者が市場在庫から調達しようとしたところ、悪意のある者によって市場在庫に大量の偽物が流通しました。
トランジスタやOPアンプといった半導体であれば従来の技術(カーブトレーサやX線等)である程度は検査ができましたが、FPGAのように大量のピンがあるICは不可能でした。
当社では、FPGAやCPUのような多数のピンを持つLSIでも、全ピンに電源やGNDを正しく与え、実際に動作させるという半導体検査装置を開発し、真贋判定サービスを提供してまいりました。

最大360ピンの半導体真贋判定装置 (シンIC Type-A)

最大720ピンの半導体真贋判定装置 (シンIC Type-B)
半導体の不正流通への対策
コロナ禍による半導体不足も一段落した2023年ごろから、二次元バーコードが消された半導体を多く見かけるようになりました。
比較的新しいFPGAはパッケージに二次元バーコードが刻印されていますが、正規流通業者でない業者から購入すると、下記のように二次元バーコードが塗りつぶされていることがあります。

写真 バーコードが塗りつぶされたFPGA
なぜ塗りつぶされているかの理由は断定はできませんが、トレーサビリティが消されていること自体が調達リスクとなります。
このように塗りつぶされたバーコードであっても、当社は特殊な装置を使って解析したり、デバイスにあらかじめ記録された個体識別コード(Device DNA等)を読み出し、その個体情報を読み出します。
様々な手法を通じて流通経路の解明に貢献したいと考えています。

写真 塗りつぶされた二次元バーコードの解析画面
回路設計・製品開発に関する技術流出への対策
電子回路には輸出管理上の理由から守られるべき技術と、産業上の営業秘密として守られるべき技術があります。
しかしながら、海外の安価なプリント基板製造サービスや、クラウドの利用、3Dプリンタの利用、SNSでのやりとり、不正アクセスなどによって貴重な技術情報が流出してしまう危険性があります。
当社では、日本の優れた技術が海外に流出しないよう、さまざまな啓発活動や、技術の流出を防ぐための技術の紹介を行っていく所存です。
例えば、次のようなテーマを想定しています
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FPGAやマイコンに実装した設計資産を、読み出しや解析からどう守るか
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海外の基板製造業者に設計データを渡す際、何を管理すべきか
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技術資料を外国人や海外企業に提供する際、輸出管理と秘密保持をどう考えるか
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法令違反ではなくても、将来の競争力を損なう技術提供をどう判断するか
安全保障輸出管理から経済安全保障へ
経済安全保障推進法は、特定重要物資の安定供給や重要技術の開発支援などを通じて経済安全保障を推進する法律です。一方、企業が保有する技術情報の流出防止全般を包括的に定めた法律ではありません。
技術流出への対策には、安全保障輸出管理をはじめ、営業秘密の管理や技術的な保護措置など、複数の観点からの取り組みが必要です。
当社が取り組むのは、このうち電子回路・半導体の調達と技術保全の領域です
当社では、安全保障輸出管理と経済安全保障の支援として、
- 安全保障輸出管理における電子回路設計現場レベルでの実務支援
- キャッチオール規制における取引先のデューデリジェンス
- リスト規制の裏側にあるパラメータの意味の解説
- 非居住者への技術提供、みなし輸出、特定類型などの相談
- 法律上は問題がないものの「日本の産業上の将来的な優位性が損なわれるおそれのある技術提供」に関する相談および支援
などのコンサルティングサービスを行います。
法律論ではなく、「海外の委託先に回路図を提供してよいか」「外国籍の技術者に設計情報を共有する際に何を確認すべきか」「取引先の用途や最終需要者に懸念がある」といった、電子回路設計・製品開発の現場における助言をいたします。
法令の最終判断や申請書類の作成代行は行わず、技術支援と現場手順の整理、内規の作成支援等を行います。
ご相談は技術士(電気電子)の業務として承ります。技術士法に基づき、秘密は厳守します。



